営業日報・商談記録から業務活用につなげるためのテキストマイニング


コロナ禍以降、営業活動ではリモート化が急速に促進されました。
数年が経過した今では、対面の打ち合わせ機会も徐々に増えている一方で、ZoomやMicrosoft Teamsを始めとするWeb会議での打ち合わせがベーシックとなっています。

今回は、営業日報・商談記録分析の具体的な事例から、「テキストマイニング」でどのように業務活用ができるかをご紹介します。

なぜテキストマイニングが必要なのか?

Web会議・電話会議はコロナ禍以前にも存在しましたが、コロナ禍以降ではZoomやTeamsの登場により、一層かんたん便利にリモートでの打ち合わせができるようになりました。
移動時間を必要とせず気軽に打合せができるが故に、頻繁に打ち合わせの予定が入ってカレンダーがいっぱい…という営業部員も多いのではないでしょうか。

このようにリモート化が進むと、営業部員だけでなく管理職の業務にも影響が生じます。
出社して対面で会話できていた頃は各営業部員に直接状況を聞けていたのに対し、今では定期的な社内ミーティングや、議事録や商談記録(会議音声認識結果テキスト)、営業日報から状況を読み取らなければいけません。

1件1件の案件状況を把握するだけであればそれぞれのドキュメントに目を通すだけで問題ありませんが、そこから営業企画や営業活動全体の見直しをしたいと考えたならば、膨大なドキュメントから情報をまとめる必要があります。
例えば部員10名を抱える営業部であった場合、1日あたりの商談数は平均3件/名であり、1件あたりの平均文字数が500文字とすると…

  • 1ヶ月の日報件数 :3件×20営業日×10名=600件
  • 1ヶ月の日報文字数:500文字×600件=300,000文字

ただでさえ忙しい管理職が目検でチェックをするには件数も文字数も多く、Excelで集計するにしても1件あたり500文字で書かれた表現がバラバラの文章から何を指標(キーワード)としてカウントするのか…と考えると気が遠くなりそうです。
このような時にこそ、「テキストマイニングツール」を使って効率的に分析を行う必要があります。

テキストマイニングツールでできること

テキストマイニングツールを用いると、各営業担当が自由文で記載したテキスト情報群から話題を分類し、その全体像や傾向を可視化することができます。
営業日報や商談記録の分析で気を付けるべきポイントについては、過去記事「営業日報の分析事例」をご参照下さい。

今回ご紹介するのはとあるBtoB企業における一例です。
管理職は、営業日報・商談記録から以下の3点を知りたいと考えました。

① どんなやり取りをしているか?(活動内容の可視化)
② お客様の反応はどうだったか?(VOCの可視化)
③ 成功する商談のパターンはあるか?(成功事例の抽出)

ただし、日報や商談記録(一部自動要約)は書きぶりが人やツールによって様々で、使われている表現も多岐に渡ります。自社製品の名称も、正式名称で記載する担当者もいれば、略称で記載する担当者もいる…といった具合です。

これに対してテキストマイニングツールVextMinerは、文単位の学習により「文と文の間の関連度」を算出し、表現のゆらぎに対応して、「似ている話題」をグルーピングすることができます。
これにより、書きぶりの違いや正式名称/略称が入り混じる日報や商談記録の中でどのような話題が発生しているか(=活動内容の全体像)をすばやく把握することができました。

▼話題の自動分類(クラスタリング)のイメージ図

この企業では活動内容の全体像を俯瞰することで、お客様の反応(=VOC)にあたる話題を発見することが出来ました。生成された話題のラベルを見ると「忙しいと言われた」「資料だけお渡し」など、お客様の反応とそれに対する対応が上手くいっていない様子が見て取れますが、一方で「他社事例に興味あり」「競合比較の質問あり」といった検討が進んでいる様子の話題もありました。
また、「予算承認済み」「導入時期確定」といった、商談が成功した場合にのみ発生する話題も見つける事が出来たため、これらの話題を含む日報・商談記録だけに絞り込みをして、成功する商談にパターンがあるかを検証しました。

「予算承認済み」「導入時期確定」を含むデータのみを取り出して深掘りしたところ、およそ3回目の打合せ時に「POC要件整理」「先方の部長同席」を行っている共通話題を発見することが出来ました。
これにより、成功パターンはキーマンをPOC要件整理の段階で会議の場に呼び出すことと判明、そしてそのための材料(成功したPOCの要件など具体的な情報)を日報の深掘りから用意でき、結果として成功率が向上することが分かりました。

実際にはより詳細な掘り下げによって営業活動を具体化していきましたが、おおまかにはこのような流れで分析を行うことで、多忙な管理職が、リモート化が進み把握しづらくなっている営業活動に対して、的確な業務指示を与えるフローを整えることができました。

まとめ

営業日報や商談記録を分析する事により、活動内容の把握にとどまらず、成功パターンの可視化やノウハウの共有を行うことができます。

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