部署ごとにばらばらのツールを導入していませんか? 複数部署のテキスト分析課題まとめて解決事例


社内に様々なテキストデータがあり、それぞれ部署ごとに管理しており、かつ分析の方法は各部署任せ…という企業は数多く存在します。
その背景には、部署ごとに扱っているデータの内容や分析目的(=業務活用目的)が異なるという理由があり、その結果として部署間の連携が取れず、1企業の中で複数の分析ツールが導入されている状況に陥ります。

この状況は部署ごとに考えた場合には大きな問題とはならずとも、企業全体で見るといくつかの課題が生まれてしまいます。
例えば、

  • アウトプットが異なるから、報告書の内容もバラバラ…
  • 部署ごとの分析結果に因果関係(つながり)があるかが分かりづらい
  • 似たような分析ツールが部署ごとに導入されていて管理が大変

といった課題に繋がり、意思決定までのリードタイムが増える、本来なら見えるべき「共通課題=根本原因」を見落とす、システム部門の管理工数が増す、といったデメリットが発生します。

今回は、部署ごとにばらばらのテキスト分析ツールを導入している企業様のお悩みを解決した事例をご紹介します。

人材系企業A社の課題

とある人材系企業A社では、主にプロモーション部門、サービス企画部門、営業部門、コールセンター部門でテキストデータを所有しており、それぞれ異なる目的に基づくデータ種別で管理・分析を行っていました。

① プロモーション部門
・データ :キャンペーンアンケート
・分析目的:キャンペーンの反響を分析し、次の施策のアイデアを発見

② サービス企画部門
・データ :エントリーシート、求職者アンケート
・分析目的:求職者の特徴やニーズを発見し、求職者と企業のマッチング率UP

③ 営業部門
・データ :メール
・分析目的:営業活動を可視化し、業務最適化&成功パターンを抽出

④ コールセンター部門
・データ :音声認識テキスト、チャットログ
・分析目的:会話内容からFAQ&トークシナリオを作成してHP&チャットボットに反映、呼量削減

それぞれ異なるデータフォーマットであり、例えば同じ「アンケート」という括りでもプロモーション部門とサービス企画部門では設問もアンケートシステムも異なるため、部署間で意思疎通をしながら分析を行うこともなくそれぞれ独自に分析ツールを導入していました。

上層部からの依頼

そんな状況の中で、上層部からひとつの依頼が発生しました。
「全てのデータ・分析目的に対応できる汎用的な分析ツールに集約できないか?」

実は、上層部はフォーマットも記載ルールもバラバラの報告書を受けており、会社としての大きな指針を見つけづらい状況に陥っていたのです。
どこかの部署の報告書で気になる点があり、「他の部署で確か似たような事をやっていたな」と資料を探すのに時間を使い、アウトプットが違いすぎて因果関係を見出すことができず、該当の部署に問い合わせて改めて分析をしてもらうのに更に時間を要し…という労力に上層部が困ってしまっての発言でした。

システム部門の悩み

依頼を受けたのは全社的なシステム管理を行っているAI/IT推進室の担当者でした。
ツール導入は各部署で推進したものの、全体管理はAI/IT推進室が行っており、実はこの担当者にも悩みがありました。

各部署で導入したツールは導入時期やバージョン管理もさまざま、もちろんセキュリティ対策もさまざまで、定期的な運用チェックを行うのにかなりの工数を使っていたのです。
テキストマイニングツールの集約を行ってどれかに一元化できれば、AI/IT推進室としても結果的には助かるのですが、会社方針としてAI活用を推進しているために「全社的に生成AIの最新技術を取り入れるべき」という追加オーダーも発生し、複数部署のシステム要件をまとめるだけでも一苦労しそうだなと担当者は頭を抱えました。

複数部署の要件を満たすツールがない?

AI/IT推進室の担当者はまず、各部署にヒアリングを行いました。
同時に各部署で導入しているツールの機能を洗い出し、どこかの部署のツールで全データに対応できないかと考えていました。

ヒアリングの結果、満たすべき要件は以下のように整理ができました。

  • フォーマットがバラバラな、多種多様なデータに対応できる
  • 分析結果を関係者に配信、各部署の結果をまとめて確認できる
  • 最新生成AI技術を取り入れ、分析スキルによらず結果が出せる
  • 使用方法のレクチャーやノウハウが確立している

導入済みのツールは各部署に「ベストマッチ」すぎる?

結論として、各部署で導入していたツールはそれぞれのデータと目的に対して最もコンパクトに対応しており、裏を返せばピンポイントな範囲しかカバーできないため、導入済みツールでの一元化はできないことが判明しました。
そうなると、新たにテキスト分析ができるツールを導入する必要があります。
そこで担当者は自社と取引があるSIerに相談し、VextMinerというテキストマイニングツールにたどり着きました。

VextMinerの解決策

テキストマイニングツールVextMinerは、アンケートなどの書き言葉から、通話・チャットの対話ログテキストまで、幅広く対応している汎用的な分析ツールです。
自動学習を文(話題)単位で行うため、ニュアンスの違う文であっても関連度に従って自動分類ができるため、書きぶりが異なる多種多様なデータを扱うA社の要件にもマッチしていました。

また、オプション機能であるVextPortalを追加することで、分析の自動処理結果からポータルサイトでの配信ができるため、上層部が報告を受けるまでのリードタイム短縮や、報告書の確認工数削減も期待されました。
あとは生成AIを取り入れるというオーダーが残っていましたが、こちらも話題分類条件(分類ルール)の自動生成による判断軸のブレ防止や、オプション機能のVextInsightを利用することでグラフ解釈から打ち手案の提示までを自動化することができ、各部署の分析作業や施策検討だけでなく上層部がすばやく状況把握を行うことに役立つと判断されました。
そこで、まずは小規模なPOCで効果検証&導入イメージ把握を行うこととなりました。

まずは小規模でPOCを実施

POCの対象となったのは、大きくフォーマットが異なるデータを持つプロモーション部門とコールセンター部門でした。特にコールセンター部門では音声認識テキストを対象に、生の会話文をそのまま分析できるのか?を検証目的に据えていました。
また、導入イメージを掴むために、分析の自動処理から日次単位での自動配信までをPOC実施範囲としました。

POCは費用対効果が見込める結果に

POCはトータル6ヶ月間で実施し、期間終了後に3つの視点で効果測定結果をまとめました。

① 分析工数の削減効果:既存のツールに比べ、分析工数に変化があったか
② 分析の高度化:既存のツールに比べ、分析内容のステップアップができたか
③ 結果報告リードタイム削減:上層部報告までに要する時間を短縮できたか

検証結果としては、2部署それぞれ全ての項目で「〇」評価となりました。
具体的な効果は以下の通りです。

① 分析工数の削減効果
・プロモーション部門: 月当たり18人日(3名体制) ⇒ 2人日(2名体制)
・コールセンター部門: 月当たり30人日(3名体制) ⇒ 4人日(2名体制)

② 分析の高度化
・プロモーション部門: キーワード集計 ⇒ 文(話題)単位の全体像把握、少数ニーズ発見、課題深掘り
・コールセンター部門: 要約文章の分析 ⇒ 会話原文の分析、顧客表現ベースでの話題発見

③ 結果報告リードタイム削減
・プロモーション部門: 月次 ⇒ 日次(昨日までの分析結果を翌朝に確認可能)
・コールセンター部門: 月次 ⇒ 日次(昨日までの分析結果を翌朝に確認可能)

A社における今後の展開

A社では2部署の検証で充分な結果が得られると判断し、本導入へと踏み出しました。
ただ、ツールの乗り換えは段階的に行うとし、分析頻度や目的に応じて徐々に対象部署を広げていくこととしました。
部署ごとにITリテラシーに差があるため、その点も考慮してベクスト株式会社の教育プランや無償サポートサービスをご活用いただいています。

さまざまなテキストデータを分析する必要がある企業様は、ぜひ弊社までご相談ください。課題解決のご提案をさせて頂きます。

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