近年、コンタクトセンターにおける音声認識・音声テキスト化の利用の普及により、音声認識されたテキスト情報をテキストマイニングする=音声マイニング、つまり会話データの分析を検討するお客様が増加しております。
分析の対象データとなる音声認識テキストは、オペレーターが応対した内容を端的にサマリー化して残すような履歴データとは異なり、一言一句話した言葉がテキスト化され、また、音声認識エンジンによる認識精度も分析に影響を及ぼすような、難易度の高いデータになります。
いきなりモチベーションの下がるようなことを述べてしまいましたが…
本ブログでは、そんな難易度の高い音声認識テキストとうまく向き合うために、”はじめて”会話分析を行う際に意識すべきことをまとめました。
分析の目的・ゴール=分析要件を見失わないようにする
会話分析を行っていると、オペレーターとお客様とのやりとりがそのままテキスト化されているため、これも気になる、あれも気になる、こんなことを言われている、と沢山の情報に目移りしがちです(現場をよく知る分析担当者ですと尚更)。
慣れてくると分析の道筋=手順を分岐させる試行錯誤や仮説立てもしやすくなりますが、まずはあらかじめ設定した分析の目的・ゴールに向けて寄り道せずに着手していきましょう。
分析要件の設定については、別記事「分析を始める前に”要件定義”を行うメリット」も参考にしてくださいね。
音声認識の誤認識・誤変換を許容する
音声認識テキストを眺めていると、音声認識のソフトウェアの精度や音声データの品質などに依り、誤認識・誤変換はどうしても発生してしまいます。
分析する上で人が読んでもなにが言われているのかさっぱりわからない、検討もつかないようであれば、まずは音声認識システムを改善すべきですが、ある程度読める・会話の流れから推測ができる状態であれば、誤認識・誤変換は「必ずあるものだ」とみなし、許容して分析に着手しましょう。
音声認識システム向けの要件については、別記事「テキストマイニングに必要な音声認識の要件について」をご覧ください。音声認識とテキストマイニングツールのどちらに課題があるのかの切り分けを行うことも重要です。
会話表現のバリエーションは無限 全てを取ることに時間を割きすぎない
言い回しのバリエーションは十人十色です。例えば、応対履歴では「“解約”の承り」で記載されているものも、実際の会話では、「解約したい」の他に「やめたい」、「変えたい」、「他にする」、「終了したい」、「もういい」など、人や状況により会話表現のバリエーションは様々です。
それらを逐一登録していくとキリがありませんので、重要度の高いものはバリエーションをある程度網羅した方が良いですが、それ以外はよく言われるものだけを取れば良しとするなど、優先順位付けと落としどころを意識しましょう。
難易度がやや高くなる会話分析をはじめて行う場合でも、音声認識や扱うデータの特徴を理解した上で取り組むことが重要です。
本ブログでは、初心者の方向けに、会話分析ではじめに意識すべきポイントを解説しました。
目的によって、分析対象データ種別を切り替えながら対応されている事例もあります。扱うデータに関して考える際には、「音声マイニングのPOCを検討する際に最低限考えておくべきこと」もぜひご一読ください。
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