テキストマイニングを活用したVOC分析の視点の1つでもあるポジネガ分析。
抑えるべきポイントや、ポジネガの辞書による判定での課題と対応策に関しては、過去ブログの「ポジネガ分析のポイント(基礎編)」や「ポジネガ分析のポイント(応用編)」でもご紹介しました。改めて、ぜひこちらもご一読いただけたらと思います。
分析ポイントは過去ブログでご紹介した通りですが、本記事では事例を通して、ポジネガ分析の際に行った工夫点とその効果についてご紹介したいと思います。
今回は、アパレル系の通販事業者に寄せられる、購入者が投稿するクチコミ情報のポジネガ分析を行った際の例を挙げます。
まずは今まで通りポジティブ・ネガティブ・要望・それ以外での分類を試みた
クチコミ情報を、まずはポジティブ・ネガティブ・要望・それ以外で割り振りをしようとしました。が、すぐに課題に直面してしまいました。
その課題とは、1つのクチコミ内にポジティブ・ネガティブ両方が含まれるケースがあったのです。「生地は気持ちいいが、思っていたよりも薄手で寒い。」といった、生地に対するポジネガ両方の評価がありました。配送とシルエットに関するポジネガであればそれぞれに割り振り、各担当部門へフィードバックすることもできそうですが、どちらも生地に関する評価だと、無理にポジティブまたはネガティブのどちらか一方に割り振るのは難しいですよね。
この時の解決策は、生地に関しての具体的な意見をそれぞれ分けて、ポジティブとネガティブのどちらにもカウントできるようにするために、「ポジティブ」「ネガティブ」といった言葉は使わずに、『生地の「肌触り」に関する意見と「厚み」に関する意見』として、具体的な書きっぷりをそのまま分類軸としました。
そもそもポジティブとネガティブの比率や分類が目的ではなかった
「ポジネガ分析のポイント(基礎編)」にも記載がありますが、分析の目的は、ポジネガ比率を集計することそのものではありません。クチコミ情報のポジティブな意見は現場へフィードバックしたり、他の商品やサービスにも展開できないか検討をしたり、ネガティブな意見は改善課題を見つけて対応策を立てるため・・・のように、ポジネガ分析の目的や、分析結果をどのように活用しようとしていたのかに立ち戻り、「ポジネガ」という分類の名称ではなく、実際に何をどう思われているのか?をそのまま分類軸に残すようにした、つまり、自社のデータに則したポジティブ・ネガティブの判定をするためのルールを準備したのです。
本当にこの分類軸は有用なのか?
今まで「ポジネガ」のどちらか一方に割り振るような分類をしていたものを、具体的な内容に置き換えてそれぞれでカウントできるようにしたわけですが、本当に使いものになるのか?課題が煩雑化しないか?などが気になりますよね。実際に分析結果を社内展開したところ、以下2点の成果をあげることができたことで、これは有用だと判断することが出来ました。
1.件数集計の結果が明確で、現場への展開がしやすくなった
生地のネガティブな意見、ポジティブな意見として展開していましたが、より具体的な意見を軸にしたことで、中身を見なくてもどういった意見があるのか?が可視化されて分かり易いという評価を受けました。
2.見落としていた意見を拾うことができた
また、キーワードベースで「○○すぎる」という表現があったときに、製品のアピールポイントではないような意見があると、「これはきっと想像よりも悪かった・不満だったのだろう」と判断し、内容をあまり見ずにネガティブに分類していました。しかし実際には、「思ったよりもやわらかすぎて寝てしまいそう」といった担当者が想定していないような使い方など、“実のところはポジティブな意見”や新たな製品アピールポイントがあることが分かりました。具体的な表現を利用した分類軸によって、単純なポジネガ集計では見落としていた良い意見を拾うことが出来ました。
ポジネガ分析は、様々な評価を割り振り、業務改善に活かしたり改善効果を確認するために、具体的な分類軸となる名称を付けることも、結果の提示や現場への展開の工夫となる。ということが分かりました。
ポジティブ・ネガティブで分類をする際、細分化した各話題に関しては具体的な分類軸を設けることも意識してみてください。
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