クレーム分析で得られる効果!企業にとって苦情は宝の山?


クレーム(苦情)は大きな課題である一方、「宝の山である」という捉え方も根強く、いずれにしても分析の必要があると考える企業がほとんどです。
弊社ブログでも苦情分析の手法について、以下のような記事で取り上げております。
苦情分析のポイント(基礎編)
苦情分析のポイント(応用編)
苦情と要望は似ている?ごちゃまぜ分析で”本当のニーズ”が分かる

今回は「本当に苦情は宝の山なのか?」を考えながら、クレーム分析で得られる効果についてご説明します。

クレームは「次のアクション」のヒントになる

まず、クレームがどのようなシーンで発生するかを考えます。
イメージを持ちやすくするために「ファッションブランド」を題材にしてみましょう。

■クレームが発生しそうなシーン
① 商品・サービスに不備があった場合
② 商品・サービスが期待通りでなかった場合
③ 商品・サービスに関するフォローが不足した場合

まず①に関しては、概ね企業側の不手際が要因となりそうです。
服にほつれがある、取り寄せたはずなのに期間内に届かない、など、商品・サービスの品質向上のためにすぐさま改善しなければいけない情報が、クレームとして寄せられている状況と言えます。

②に関しては、企業側に明確な問題がある訳ではないようです。
「肌が弱いので化繊は困ります。綿素材だったら良かったのに」「サイズ展開の幅が狭すぎる」など、自分が求める期待値に届かなかった場合に、要望に近い形のクレームが発生すると予想されます。

最後に、③に関しては商品やサービスそのものではなく、それを提供する際の「接客対応」が対象となりそうです。
例えば「このシャツの在庫はありますか?」とお客様に尋ねられた際に、「この店舗には在庫がありません」と回答しても間違った対応ではないのですが、実は近くの別店舗に在庫が存在した場合、お客様は「調べて教えてくれればよかったのに、不親切だ」と感じてクレームに発展する可能性があります。

このように例を挙げて紹介をしてきましたが、端的にまとめるとクレームからは以下のような情報を得る事が出来そうです。
① すぐに改善すべき(自社の不備による)課題
② 現在対応できていない新たなニーズ
③ サービス品質の見直しポイント

ただし例外として、「想定されない使い方・環境」に基づくお客様起因のクレームも多少含まれる事でしょう。
これらの対応是非は企業側の判断に委ねられますが、自社を守るために「ご使用上の注意(=前提条件)」として明文化する、という対策に活かすこともできます。

苦情はすべてが宝の山という訳ではありませんが、企業が次に行うべきアクションの“ヒント”として取捨選択や優先順位付けをし、適切に扱うことで、企業の商品・サービス改善に役立つことでしょう。

クレーム分析で得られるメリット

前述の通り、クレーム分析により企業はより満足度の高い製品・サービスを提供するヒントを得る事ができそうです。
しかし、クレーム分析によるメリットはそれだけではありません。

クレームを発する側であるお客様は、企業に問合せを送るだけでなく、家族間や交友関係、職場、SNSなど、身近な場所で「口コミ」を行っている可能性が高いと言えます。
「グッドマンの法則」によると、ネガティブな口コミはポジティブな口コミに比べ、2倍以上拡散されるとの事ですが、SNSが普及した現代においては何万人の目にも触れてしまうリスクが発生します。

一方で、同じく「グッドマンの法則」によると、クレームに対し迅速に対応を行うことで、クレームを申し立てたお客様との間に信頼関係を築く事ができ、高い確率で再購入を行うと言われています。

企業にクレームを直接届けるお客様は、何も言わず離れてしまう大多数のお客様に比べ、「熱量が高い(ファン予備軍の)ユーザー」です。
クレームをきっかけにお客様との接点を活かし、お客様に向き合う姿勢を見せることで、単なる「(やらなければいけない)苦情への対応」以上のチャンスを得る事ができるでしょう。

クレーム分析を行うことで、「次のアクション」のヒントや「ファン獲得」のチャンスを得る事が出来ます。


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