ChatGPTの活用により分析結果の理解と業務活用を促進する最新機能「VextInsight powered by ChatGPT」の特徴と開発ストーリー


2022年11月のChatGPTの登場以降、様々なタスクをこなすことができる生成AIのニーズは急速に拡大しています。多くの企業において、ビジネスシーンで生成AIをどのように役立てることができるのか、新技術活用へ向けた取り組みが行われています。
当社でも、生成AIの活用によるお客様の課題解決や知的生産活動の向上を目指しており、2024年1月に、テキストマイニングツール「VextMiner」の最新オプションとなる「VextInsight powered by ChatGPT(以下、VextInsight)」の提供を開始いたしました。

ニュースリリース:テキストマイニング結果の理解と業務活用を促進する「VextInsight powered by ChatGPT」の提供を開始

今回は、独自のテキストマイニング技術とChatGPTを組み合わせることにより、テキストマイニング結果の理解と業務活用を促進する最新オプション「VextInsight」の特徴と、その開発ストーリーをご紹介します。

VextInsight の特徴

独自のアシスタント機能で分析者をサポート

VextInsightは、VextMinerによる分析結果から、重要なデータ特徴を自動でピックアップ(例:時系列の分析結果から、直近で急増傾向などの特徴的な変動のある話題に注目/様々な属性情報をかけ合わせた分析結果から、特定話題で頻出する属性情報に注目)し、それぞれの特徴に対する想定要因や業務に役立てるためのアドバイスなどを丁寧な解説文で生成します。また、分析者自体が知りたいポイント等を質問することもでき、個々の分析目的に合わせた活用が可能になっています。
VextInsight powered by ChatGPTの概要図
Azure OpenAI ServiceのChatGPT APIを利用し、エンタープライズレベルの高セキュリティを実現しています。

生成結果に対する根拠の確認機能を搭載

VextInsightによって生成された解説は、VextMinerの分析結果と連動しており、根拠となった分析結果の対応箇所の確認やテキストデータの原文参照(全件)をワンクリックで行えるようになっています。
「主要な特徴(生成された解説)/分析結果の全体像/実際の原文単位の情報」という抽象度の異なる情報をシームレスに行き来できる本機能により、分析結果に対する深い理解を短時間で得ることを実現しています。また、生成AI特有のハルシネーション(=事実に基づかない情報)チェックも可能となります。

VextInsightの開発ストーリー

分析結果にChatGPTを組み込むアイディア

当社での検討時、まずはChatGPTでテキストマイニングを代替できるか?という点の検証から行いました。しかし、入力したデータや業務内容などによって、ある文書ペアを「類似している」とみなすべきかどうかが異なるなどの課題が出現し、ある程度の概要把握は可能なものの、現行のVextMiner同等の業務改善に活用可能なレベルの分析結果をChatGPTのみで出すことは難しいという結論に至りました。
そこで、独自のテキストマイニング技術とChatGPTを組み合わせることによる差別化を試みることとしました。ちょうどその頃、お客様より「VextMinerでの分析結果の展開先となる閲覧者は、分析自体の詳細には詳しくないが、業務知識は豊富にあるため分析結果の見方が分かればより活用ができそうだ」というお声をいただきました。
このこともあり、当社製品の分析結果にChatGPTを組み込んで解説を生成することで、分析スキルや業務知識に関わらず誰もが簡単にデータ特徴を、深く・いち早く理解して業務活用のための気づきを得ることを実現しよう、という方向性が浮かび上がりました。

分析結果に対する解説を生成するアシスタント機能の実現

方針は決まったものの、分析結果の集計データをそのまま入力してしまうと、数値の読み間違いなどのハルシネーションが発生しやすいことが分かりました。そこで、分析結果の集計情報から重要度の低い情報はあえて削除する・独自のロジックで集計情報をChatGPTが解釈しやすいプロンプトに自動変換する仕組みを作る等によって、集計情報をより正確に解釈できるよう工夫しています。
また、この頃米国Microsoft社の提供するスタートアッププログラム「Microsoft for Startups」に採択され、この支援によってコストを気にせず大量のChatGPT検証を行うことができるようになり、複数データでの検証を通じたプロンプト生成の改善により、分析結果から重要なデータ特徴やその解説を自動でピックアップする能力を磨くことができました。

生成結果の表示・分析結果との連動による根拠確認機能の実現

通常、テキストマイニング結果から納得感のあるレポーティングをするには、「分析結果からわかったこと」だけではなく、実際にどのような声があったのか?や現場の温度感が分かる原文例や根拠となる分析結果を掲載することが有効です。
そこで、VextInsightでは生成された解説に対応する原文や分析結果を簡単に確認できるという点も重視しました。そのために、ChatGPTで解説を生成する際に、入力した集計情報のどの部分と紐づく情報なのかを決まったルールで出力できるようにプロンプトを工夫し、出力結果を分析結果と紐づける開発を行っております。これにより、解説画面からワンクリックで原文参照や分析結果の対応箇所確認が可能となりました。
VextInsight powered by ChatGPT画面イメージ

VextInsight今後の発展について

ベクストでは、VextInsightをより皆様の分析に役立つ機能とするべく、リリース後も日夜研究開発を進めております。以下で、現在検討している内容の一部をご紹介させていただきます。(※現在検証中というステータスのため、リリース可否や時期は未定となります。)

  • 解説の生成時に原文の要約情報や社内ドキュメントなどの情報を利用することで、個社独自の状況に合わせた解説を生成できる機能(※現在は集計情報から「一般的なアドバイス」を生成しています。)
  • 生成された解説から、より詳細な分析に簡単にドリルダウンできる機能
  • 生成された解説の原文参照時、長文の原文を要約できる機能
  • VextInsightが利用可能な分析機能の拡大(予兆分析・文脈分析 etc.)

今後もVextInsightのバージョンアップにご期待いただけますと幸いです!

最新オプション「VextInsight」の特徴と、開発ストーリーについてご紹介いたしました。無料トライアルキャンペーン・オンラインセミナーも実施しておりますので、ご興味をお持ちの方は是非ご検討ください!


無料トライアルキャンペーンのご案内

VextInsight無料トライアルキャンペーン

・概要:1ヶ月間 VextInsight powered by ChatGPTを無料でご利用いただけます。
・対象:VextCloudエンタープライズコースをご契約中のお客様

・応募受付期間:
【第1弾】2024年2月1日(木)~2024年3月31日(日)終了
【第2弾】2024年4月1日(月)~2024年6月30日(日)

※VextInsightのご利用にはVer.18.00のパッチ適用が必要となります。
※その他、前提条件については詳細ページをご覧ください。

詳細はこちら:https://www.vext.co.jp/information/4543/


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【本件に関するお問い合わせ】
ベクスト株式会社 営業部 伊藤
E-mail : vext_press@vext.co.jp / TEL : 03-4590-6755 (代表)