VOCダッシュボードを活用した社内の「仕組み作り」


VOCダッシュボードの作成方法について(基礎編) では、VOC分析の処理を自動化し、その結果をダッシュボードにして社内で閲覧できるようなシステム(=VOCダッシュボード)を作成するときのポイントをご紹介しました。

今回はVOCダッシュボードを活用し、課題に対応できる「仕組み作り」に必要なポイントをご紹介します。

分析結果を見せるだけでは人・組織を動かすことはできない

VOCダッシュボードは部署や役職など、見せる相手によってテーマやストーリーに工夫しましょう。というお話は、VOCダッシュボードの作成方法について(基礎編)レポートに載せるグラフは「ストーリー」で選ぶでご紹介した通りです。

次のステップとして、見せた相手にアクションを起こしてもらうための具体的な改善案をご紹介します。
まずはテーマやストーリーに基づいた結果に対し、解決策の案や注目すべき箇所を指摘してあげるようにしましょう。特に、上層部向けの報告の際には、実際の原文=発せられた・書かれた言葉を見せてあげるようにすると効果的です。
「○○の不満がこれだけあります」といったまとめられた情報だけが報告として挙がることも多いため、あえて生の声を見せることで、「○○の不満」とは具体的にどのような言われ方・書かれ方がされているのか、といった温度感も伝わります。
経営層まで届けるための分析結果自動配信の仕組みでも事例としてご紹介しました。)
上層部の課題意識の醸成に繋げられると、VOC活動を会社全体の課題と捉え、組織から部門へ、部門から個人の課題意識へとつなげられることが期待できます。

はじめは課題やテーマを絞り、徐々に拡大していく

ルーチン化できる範囲・スポットからスモールスタートをすべきであるという点は、自転車操業にならないテキストマイニング運用法で述べた通りです。
分析担当者は、結果を報告するだけになってしまっていた。業務の傍らで分析をしているため、なかなか手が回らない。突発的に明日までに○○分析の依頼が来る。など、さまざまな悩みがあるかと思います。
いきなり、よしやるぞ!と意気込んでも、ルーチン化できない、業務が逼迫してしまっては、本末転倒です。
まずは、今まで報告していたものの形式を変えず、その中から1つテーマや課題を見つけ、それに対して具体的な解決案などを考えてみると良いかもしれません。
選定する際には、主観ではなく、見せる相手のニーズを意識し、そのニーズを満たすためには、同じ結果だけれど見せ方を変える=例えばグラフの表示形式や縦軸・横軸の入れ替えといった工夫ができないか試行してみましょう。

VOC活動を永続できるシステムを利用し、人間が行うべき作業とシステムで処理する作業を分ける

ここまで、VOCダッシュボードを活用した社内の「仕組み作り」のために、分析者が意識すべき、やや業務に則した具体的なポイントを述べてきました。
分析者の限られた時間を有用とするためには、人間が行う作業はできることならなるべく減らせたら良いはずです。
分類軸や課題の選定、課題解決のための対応策の検討などは人間が行うべきですが、それ以外はシステムに任せてしまいましょう。
大量に存在するVOCデータの分析結果は、VOCダッシュボードを活用し、VOCダッシュボードに表示する内容は、見せる相手やテーマを意識して設定しておきます。
VOCダッシュボードに表示される、予め設定した課題や注目箇所を示唆し得る分析結果を基に、人間が考える作業に時間を割けられるよう、システムを手段ととらえ、賢く利用しましょう。
人間とシステムとで作業分担をすることも「仕組み作り」には重要です。

VOCダッシュボードを活用した社内の「仕組み作り」には、分析者の工夫による全社的な経営課題への発展と、人間とシステムとで処理すべき作業を分けて、人間がやるべき作業に時間を割くことが肝要です。


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