先進技術が次々に世に出ていることは分かっているけれど、自社ではまだ手作業でテキスト分析を行っている…という企業はまだ少なくありません。
また、業務効率化や分析の高度化のためにはツールの導入が必須な事は理解していても、どのように検討を進めれば分からない…というご相談を受ける事もあります。
今回はテキストマイニングツールを導入するまでのステップについてご紹介します。
ステップ1.目的に合ったツールを選ぶ
世の中には様々なツールが存在し、自社の目的に沿ってツールを選定する必要があります。
例えば、以下のように大きな括りで目的を分けて考えましょう。
① データの概要だけ知りたい
② リスク検知をしたい
③ 課題を発見したい
①データの概要だけ知りたい
アンケートデータやSNSデータにおいて、どのような事が多く語られているのか?といった、主要意見の概要だけを知りたい場合、ワードクラウドや単語のランキング表示ができる簡易的なツールが適しているでしょう。
ただし、「〇〇」という単語が多いからその理由を知りたい…と思ったとしても、簡易的なツールには深掘りができる機能がない場合が多いため、注意が必要です。
※参考記事:「ワードクラウドでは分からない”本当の課題”」
②リスク検知をしたい
メールでのやり取りや契約文書などに含まれる「使用してはいけない(NG)表現」等のリスクを発見したい場合、教師あり学習ができるツールが適しています。
NG表現に該当する文書を学習データとして取り込み、分析対象データと比較することで、リスクを孕んだ箇所を洗い出すことができます。
ただし、教師データに含まれない=未知の話題に対しては対応する事が難しいと言えます。
③課題を発見したい
コンタクトセンターでの応対や日報データなど、膨大かつ何か書かれているか分からないデータを分類し、課題を発見したい場合、分析機能を有したツールが最適です。
特に教師なしでも学習可能なツールであれば、自社のデータから学習知識を得た上で、類似した文章をグルーピングして主要話題の整理を行う事ができます。
主要話題が発見できればその中で特徴を示す話題だけを取り出して深掘り分析で課題追及をしたり、主要話題以外の少数の話題=未知の「その他」だけを取り出して、新たなニーズや誰も気づいてない予兆の発見に繋げる事も可能です。
ステップ2.試験分析を依頼する
自社の目的に沿ったツールが見つかった後、ツールベンダー側で対応が可能であれば、試験分析を依頼することをお勧めします。
自社のデータを預けて、ツールによる分析作業・レポート作成を行ってもらう事で、「自分たちが今行っている分析作業をどこまで代替できるか、どんな高度化が望めるか」のイメージを掴むことができます。
特に多機能なツールであればあるほど、何をするためにどの機能を使えばいいのか分からない…という課題に対してもレポートの中で回答を得ることができるため、まずはプロの手で自社のデータを分析してもらうことが導入する上でも重要なポイントとなります。
ステップ3.試験導入を行う
試験分析で分析のイメージを掴んだ後は、そこで得られた結果をお手本に、自社で試験導入(トライアル利用、PoC)を行うのも良いでしょう。
実際に自社の担当者が使用して、ツールの機能や特長を理解した上で、自社で運用を続けられるか?を検証する必要があるため、少なくとも2~3ヶ月程度の試使用期間を設けることをお勧めします。
4.テキストマイニングツールを導入する
ステップ1~3を踏まえた上で、やっとテキストマイニングツールを導入する段階となります。
導入を急ぐ場合はステップ3をスキップしても良いですが、ステップ1~2をしっかりと踏まえることで、導入した後に「イメージしていたものと違う…」「やりたいことができない」といった失敗が起きるリスクを回避することができます。
テキストマイニングツールを導入する場合は、自社の目的や運用に合ったツールなのかを検証し、段階を踏んで検討を進めましょう。
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