顧客満足度向上を目指す際に、NPSアンケートなどで顧客ロイヤリティを測定する企業が増えつつあります。企業側にとって状況を明確に把握できる点で有効ですが、「アンケートに回答する」という小さな壁があるために、回答者が限定されるという課題も残されています。
一方で、コンタクトセンターにおける会話の中にも、顧客の満足度を示す重要なキーフレーズが多く含まれています。
お客様が何気なく発した一言は、企業や窓口に対する率直な評価と言えるでしょう。
今回は会話に含まれる「ありがとう」などの感謝表現から、顧客満足度向上のヒントを得るための分析事例についてご説明します。
事例①顧客への寄り添いにより「ありがとう」が発生
「ありがとう」に代表される感謝表現は、実際には複数の言い回しが存在します。
対象のコンタクトセンターの業務内容にもよりますが、以下のような表現が一般的に感謝を示していると判断できるでしょう。
・ありがとう
・助かりました
・よく理解できました
・丁寧に(ありがとう)
・親切に(ありがとう)
テキストマイニングツールVextMinerでは、これらを検索文として分析対象データを検索すると、似たようなシーンで用いられる「感謝表現の別バリエーション」を抽出することも可能です。
これらの感謝表現群を分類ルールに設定して分類することで、データ内に含まれる感謝表現をカウントします。
これにより、よく感謝されている=満足度が高い応対ができているオペレーターの候補を発見することができます。
次に、よく感謝されているオペレーター上位2名と、それ以外のオペレーターで、どのような会話内容の違いがあるかを分析しました。
結果として、よく感謝されているオペレーターには以下の共通点を発見できました。
・寄り添い表現を多用(大変な状況かと思います、お困りですよね、大変恐縮ですが など)
・専門用語を使わない
・「友人としての助言」として、親身な対応を行う
事例②感情から見る「ありがとう」の温度感
また、電話応対の場合、音声認識システム側に感情解析機能が搭載されていれば、「ありがとう」の温度感を知ることもできます。
感情解析については過去の記事「成約率を上げるオペレーターの”トークスキル”の可視化」で詳しくご紹介しておりますのでご参照ください。
例えば電話口では「分かりました、ありがとう」と感謝を述べていた顧客が、終話後のアンケートでは「不満足」にチェックを入れる…という事も起こり得ます。
言葉の上だけでの感謝なのか、思いがこもった感謝なのかを判断するには、「喜び」などのポジティブな感情値と感謝表現をクロス分析することで可視化することができます。
会話中に発生する「ありがとう」を指標に、お客様により一層の感動を与えられるコンタクトセンター運営を目指しましょう。
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