離職率低減や組織課題の改善において、重要な指標となる従業員満足度(ES)。
ただし、ただアンケートを集計するだけでは具体的な課題を発見することはできません。
今回は従業員満足度(ES)調査結果の分析をテキストマイニングで行い、自社の強み/弱みを知る手法についてご説明します。
1.不満ポイントから自社の「弱み」を知る
まず知りたいのが直接的な改善課題となる不満ポイントです。
不満な点の回答列を対象に分析を行い、まずは全体的な傾向を明らかにしましょう。
その後、特に満足度が低い社員に絞り込み、全体傾向との話題比率を比較します。
これにより、以下の切り分けができるようになります。
① 全体的に不満な点として挙げられている話題:自社の弱点
② 局所的に不満な点として挙げられている話題:部署などの弱点
「休みが取りづらい」という不満が局所的であれば、部署内の体制の見直しや、業務の分担などで対処ができそうです。
ですが全体傾向としてあった場合、いかに「有休を消化するように」と通達を出しても、実際には声を上げづらい空気が蔓延している可能性があります。
このような場合は経営側や人事労務が積極的に動き、より明確なルール付けや推進活動を行わない限り、改善は難しいでしょう。
2.満足ポイントから自社の「強み」を知る
不満だけでなく満足ポイントも企業にとって重要な指標となります。
会社全体が満足を示す話題があれば、それこそが“自社の強み”です。
課題改善だけでなく、強みをアピールし伸ばしていくことで、より魅力的な企業として内外から評価を受けられる可能性があります。
例えば「気軽に意見交換ができる」と社員全体が満足を示していればその点を強化し、部署を横断した企画を行い、更なる関係強化・活性化を目指す…という施策も取れるでしょう。
ただ要注意なのが、「給与が高いから満足」しているけれど「休みが取れないのが不満」といった、満足と不満に関連性がある場合です。
給与が高い分忙しいという事であれば、「給与」という価値が下がる、もしくは期待値を超えなくなった段階で、離職のリスクが生じてしまうかもしれません。
不満ポイントと満足ポイントの因果関係を明らかにするのも、従業員満足度調査では重要な視点と言えます。
3.例年と比較をしてPDCAを回していく
従業員満足度調査は一度だけ実施をすれば良いものではなく、毎年実施をして満足度の変動を確認する必要があります。
その際に、設問をころころと変えてしまうと、去年の調査結果のどの部分と比較をすればよいのか分からなくなる…というケースも少なくありません。
そのため、主要な設問は毎年固定とし、スポットで確認したい質問内容は流動的な枠として用意するといいでしょう。
分析上は、主要な固定設問で例年比較を行い、スポットの流動設問でその年の特徴話題を発見する、という使い分けが可能となります。
従業員満足度調査結果を活かし、自社の強み/弱みを知り、PDCAを回しましょう。
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