テキストマイニングを導入するにあたり、分析頻度や運用方法は各企業や担当部署により様々です。
その中でも特に、自社データを扱い、定常的に分析する必要がある業務をお持ちの場合、「日々の運用に追われてPDCAを回せない」「高度化ができない」といった課題にぶつかることも少なくありません。
今回はテキストマイニング導入から利用拡大までの運用方法をご紹介します。
1.まずは目的を限定してスモールスタート
自社に様々なデータがあり、複数の分析目的を持っていたとしても、導入時点から全てに手を付けることはできません。
まずは自社に合った分析手法の確立と運用の定着化を目指し、限定的な目的において小規模にスタートを切るのが良いでしょう。
分析対象データによっても難易度が異なりますので、十分な人員が確保できるか、POCで要件を明確化できているかを踏まえ、どのデータを使用するかを検討します。
2.ルーチン化できる範囲、スポットで見る範囲を決める
テキストマイニング運用が定着化し、「どのような分類軸で、どんなフローで分析を行うか」が明確となったら、次のステップとして分析作業の切り分けを行います。
同一の分類軸で時系列変化を捉える「定常分析」はルーチン化し、なるべく工数を掛けずに、月次単位で処理を行います。
分類定義がしっかりと確立できていれば、人間の判断が必要となる作業は新規話題に対する多少のチューニングのみとなります。
チューニングは基本的には「その他」の割合が30%を超える場合に実施すれば良く、半年~一年に一度の頻度で行えば十分と言えます。
また、バッチ処理ができるテキストマイニングシステムであれば、半自動化も実現可能です。
定常分析で捉えた“今月の特徴”があればそのカテゴリを「スポット分析」で深掘りし、要因追及・課題抽出を行います。
定常分析の工数が削減できた分だけスポット分析に注力することができるようになるため、より多角的に、深く課題追及ができる運用体制を築くことが可能となります。
3.分析範囲を拡大する
限られた目的に対して運用の定着化、ルーチン化ができれば、次のステップとして分析範囲を拡大します。
分析データが異なれば分類の切り口も異なるため、前段の目的と全く同じ分類定義を用いることはできませんが、参考とすることで「自社に合った分類方針」をスムーズに検討することができるでしょう。
この段階では他部署からの分析依頼や「自分たちも使ってみたい」といった要望が上がるため、自社内でのノウハウ共有も必要となります。
異なるデータや部署だからと言って、互いの分析結果が全く無関係とは限りません。
自社に関する分析である以上、情報交換をしながら、既に成功している運用をベースに全体を整理し、運用を広げていきます。
4.分析処理から配信までを自動化する
分析結果が広く社内で用いられ、上層部向けだけでなく様々な部署で役立てられるようになれば、報告内容も多岐に渡る結果をまとめなければいけなくなります。
視点の異なる部署、役職のオーダーに応える報告書を定期的に作成することは困難であるため、この段階においては分析から結果の配信までを自動化することを検討する必要があります。
分析処理の自動化については前述の通りですが、結果配信は部署ごと、役職ごとに画面を変え、定期的に分析結果を自動更新する仕組みを作ります。
自動更新されるグラフには定型化した分類軸とフローが用いられるため、ルーチン化の段階できっちりと定義付けができていることが肝要です。
また、スポット分析結果は自動更新ができない範囲となるため、月次で手動分析を行い、その結果を配信画面に掲載すると良いでしょう。
このように、分析処理から配信までを自動化することで工数を大幅に削減し、分析担当者は分析の高度化や範囲拡大を続けることで、全社的な取り組みへと発展させていくことが可能です。
自転車操業とならない運用体制を築くためには、段階的に拡大・自動化を行っていくことが肝要です。
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