分析結果共有の適切なタイミングを「伝えたいこと」から考える


社内外のデータを継続的に分析する場合、その結果はどのようなタイミングで共有するべきでしょうか。
「リアルタイムで結果を共有できることが最も望ましい」という意見もありますが、全てのデータや目的に共通して「リアルタイムの共有が常に適切」という訳ではありません。

今回は分析結果の「伝えたいこと」から、適切な共有タイミングを考える手法についてご紹介します。

即時性が求められる分析結果とは?

まず、即時性が求められるケースから考えます。
この場合に伝えたいことは「すぐ対応に移すべき事項」です。

リアルタイムでの対応が必要となるケースとして、例えばコンタクトセンターにおけるオペレーターのやり取りをリアルタイムに監視し、禁止されているワードが発声された時点でアラートを出す、もしくはお客様のお怒り表現が生じた段階でSVにフォロー要請を出す…などが考えられます。
ただしこのケースは「分析結果」ではなく「キーワード発生」をフラグにしたアラートとなるため、テキストマイニングツールではなく音声認識システムでの対応が求められます。

では、テキスト分析における即時性とはどんなものでしょうか。
よくある例として「前日の結果を翌朝確認する」パターンがこれに該当します。
営業の活動記録であれば、日次で分析処理にかけ、翌朝には前日までの活動結果をポータルで表示します。
部署全体の動きや成果を上げた営業部員を可視化することで、営業部員は「今日はどのような活動をすればいいか」を考え、管理職は「どの案件についてフォローが必要か」を検討できます。
また、コンタクトセンターの応対記録であれば、直近でどのような問合せ傾向があったかを把握することで、「今日発生する可能性が高い問合せ」を想定した事前準備が可能となります。

このように、業務内容にすぐ反映することで効力を発揮する分析結果は「即時性が求められる」ものとなります。

長期的な視点で共有すべき分析結果とは?

次に、長期的な視点が求められるケースについて考えます。
この場合に伝えたいことは「全体を俯瞰することで見える課題」です。

経営課題など、慎重に吟味する必要がある事項については、短期的なデータではなく長期的なデータを対象として分析結果を得る必要があります。
短期的なデータで得られた結果は「その時たまたま発生した」可能性があり、企業全体の課題として取り扱うか否かの判断が難しくなります。
一年間のデータを対象とすれば、時期によって変動する話題と恒常的な話題を把握することができ、全体と比較をすることでクリティカルな話題がどれなのかを判断しやすくなります。
この場合のクリティカルな話題とは、「全体の中で大きな割合を占める話題」、もしくは「件数に依存しない、企業にとって重要な話題」を示します。

また、数年分のデータを用意して同一の分類定義によって比較することで、より大きな傾向を把握することもできます。
業績と連動した話題があれば今後の売上予測に役立てることができ、例年同時期に発生する話題があればあらかじめ対策を講じることも可能です。

このように、大きな枠で判断すべき課題を追及する場合は、「長期的な視点」が求められるものとなります。

分析結果共有の適切なタイミングは、「何を伝えるための分析結果か」から考えましょう。


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