生命保険業界において、苦情の内容を把握するのは重要な業務です。
自社の課題認識のために苦情分析を行うほか、一般社団法人生命保険協会の基準に従って分類を行い、報告を行う義務があります。
その業務を人手で行う場合、多大な工数と人件費が掛かってしまう…という課題を抱える企業が多く見受けられます。
今回は保険業界における苦情分類の工数を削減するためのツールについてご説明します。
苦情を分類することが難しい理由
苦情を分類する際に課題となるのが以下の2点です。
(1)1件1件チェックを行う必要があり、人手で作業をすると膨大な時間が掛かる
(2)どの苦情に該当するか、明確な判断がしづらい
まずはこれらの課題について掘り下げていきます。
(1)1件1件チェックを行う必要があり、人手で作業をすると膨大な時間が掛かる
問合せ総数やその中の苦情が占める割合は企業によって異なりますが、契約者数が多い企業になればなるほど苦情件数も多くなります。
複数人体制で苦情分類に取り組む必要があるため、「苦情のラベリング作業」に対する人件費の負担は大きいと言えます。
この課題をクリアするためには、ツールの導入が効果的でしょう。
人間が目検でチェックするよりも早く、良い意味で機械的にラベリングを行うことができます。
(2)どの苦情に該当するか、明確な判断がしづらい
苦情分類には基準が存在し、階層化されたカテゴリに従って苦情をラベリングする必要があります。
しかし苦情の内容は記載されている状況や表現がバラバラであり、概要だけが記された基準のどれに当てはまるのか判断に迷ってしまいます。
人手で作業を行う企業の場合は、過去の担当者の知見を集めた分厚いマニュアルが用意されている事もありますが、手元にある1件の苦情がマニュアルのどこに該当するのか確認を行うだけでも大変な作業となります。
また、基準に当てはまっているかどうかの判断は担当者個人に委ねられるため、似た内容の苦情でもAさんは〇カテゴリに分類し、Bさんは×カテゴリに分類する…といった「判断のブレ」が生じてしまいます。
では、ツールに代替させれば(2)の課題も解決できるのでしょうか。
その答えは「ツールがどのように判断するか、そのロジックによる」と言えます。
例えばキーワードでヒットさせるようなツールであれば、よく読めば同じ内容でも、異なるキーワードが用いられた時点で別の苦情と見なされてしまいます。
それでは、どのようなツールであれば苦情の分類に適しているのでしょうか。
苦情分類に”過去の事例”を活かす
苦情を分類する際に判断基準となるのが、「過去、似たような苦情があったか?」「似たような苦情があった場合、どのカテゴリに割り振られたか?」です。
過去の事例を参考にすることで、手元にある1件の苦情をどこに分類すべきかの指標が得られます。
ただし、ドンピシャで一致する過去事例があればいいのですが、カテゴリA、B、Cそれぞれに似たような苦情が分類されていた場合、重複分類が許されない状況下ではどれに最も近いかを判断する必要があります。
つまり、苦情分類を行うツールは「過去事例をストックできる」「過去事例と現在の苦情を比較し、”関連性の度合い(%)”を示せる」必要があります。
過去事例を教師データとして登録し、判定根拠を示せるツールであれば苦情分類に適していると言えるでしょう。
また、過去の事例のどれにも似ていない=新規の苦情話題があった際も、「新規の苦情話題である」ことを明示し、教師データに追加ができるカスタマイズ性も重要となります。
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