「FAQ作成のポイント(基礎編)」では基礎的な内容についてご紹介しました。
今回はFAQのメンテナンス方法にスポットを当てて、応用編としてご説明します。
メンテナンスの流れを考える
FAQをメンテナンスする際に、漫然とFAQを追加をしていくことは得策と言えません。
では、どのような手順でメンテナンスを行えばいいのでしょうか。
メンテナンスを行うには、まずは現状を整理し、不足を補う必要があります。
具体的には以下のような考え方で進めるのが良いでしょう。
- 現在のFAQは問合せに対応できているか(カバー率の確認)
- 今必要とされるFAQは何か(未カバー話題の抽出)
- 既に使われていないFAQはあるか(カバー率・時系列の確認
1.現在のFAQは問合せに対応できているか(カバー率の確認)
「FAQ作成のポイント(基礎編)」でも触れましたが、FAQのメンテナンスをする際の重要な指標がカバー率となります。
カバー率とは「FAQが問合せ(もしくは検索)のどの程度をカバーできているか?」を測定した数値を指します。
問合せを検索元、FAQを検索先として、問合せ話題と類似する内容を持つFAQが全体の何割を占めるかを判定します。
このカバー率を確認することで、現状を把握することができます。
問合せには個人や環境に依存した話題も含まれるため、カバー率を100%にすることは困難です。
そのため、常に70%以上を保てるようにFAQの拡充をすることが望ましいと言えます。
2.今必要とされるFAQは何か(未カバー話題の抽出)
カバー率が一定の割合を下回っている場合、FAQの追加が必要となります。
では、どのような手順でFAQを作成すればいいのでしょうか。
まずは現在の問合せとFAQのカバー率判定結果から、未カバーの話題(問合せには存在するがFAQには存在しない話題)を抽出します。
未カバー話題には似たような内容が何件か存在すると考えられるため、テキストマイニングツールを利用して話題のグルーピングを行います。
また、先述の通り問合せには個人や環境に依存した話題も含まれるため、グループ内件数が2件以上の話題(少なくとも2回以上問合せが発生した話題)をFAQの候補とします。
件数が多い話題グループからFAQ候補を選択すれば、効率的にカバー率を上げる事が可能です。
また、話題グループを時系列で並べ、急増話題をFAQ候補とすることで、今後さらに問合せが爆増する前にFAQを用意することができます。
3.既に使われていないFAQはあるか(カバー率・時系列の確認)
1~2の手順でFAQを充実させることは十分叶いますが、「既に使われていないFAQ(古いFAQ)」の有無もチェックすると尚いいでしょう。
製品仕様や法令の変更により、現在は内容が変わり使われなくなったFAQがいつまでも残り続けると、検索の精度を下げる要因ともなります。
では、古いFAQはどのように発見すればいいのでしょうか。
古いFAQを見つける方法は2種類あります。
(A)問合せに存在せずFAQに存在する話題の洗い出し
(B)話題ごとに分類して時系列チェック
「(A)問合せに存在せずFAQに存在する話題の洗い出し」の場合、FAQを検索元、問合せを検索先とすることでカバー率を確認します。
またこの際、問合せデータの期間は直近1年程度にすると良いでしょう。
この結果を確認することで、問合せに存在せずFAQに存在する話題=直近1年は問合せがないFAQを発見することができます。
内容を確認し、既に不要となっているFAQと確認ができれば削除を行います。
「(B)話題ごとに分類して時系列チェック」の場合は、FAQの話題をグルーピングし、時系列で並べて確認を行います。
似た内容のFAQが新旧存在する場合は、内容を確認後、古い日付のFAQを削除します。
まとめ
まずは現状を把握し、今必要な話題をピンポイントで追加を行い、古いFAQは削除することで、効率的にメンテナンスを行うことができます。
より詳細な情報や事例について知りたい方は、お問合せフォームよりぜひお気軽にお問合せください。テキストマイニングに興味をお持ちの方は、無料のセミナーもございますので、お気軽にご参加ください。
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