チャット・チャットボットログ分析のコツ

チャット・チャットボットログ分析のコツ
お客様との接点として、以前は電話窓口が主流であったのに対し、昨今ではチャットやチャットボットを窓口とする流れが大きくなっています。

お客様一人に拘束される電話応対とは違い、一度に複数の問い合わせに対応できるチャットや、簡単な解答であれば自動応答できるチャットボットはコンタクトセンターにとってとても効率的なツールと言えます。
しかし、声とは違い感情を込めることが困難な文字でのやり取りの中で、どうやって応対の品質を上げ、お客様に満足いただけるコミュニケーションを取れるか?が課題と言えます。

今回は、課題改善のためにチャット・チャットボットログを分析する際のコツについてご説明します。

1.自社のデータから得られる情報について考える

例えば自社にチャットログ(有人対応のログ)があったとします。この場合、以下の情報が得られると考えられます。
(1)お客様の知りたい事(問い合わせのきっかけ)
(2)お客様の置かれている状況(回答をするための絞り込み情報)
(3)(1)に対するオペレーターの回答
(4) 関連する話題・追加質問
(5)お客様の満足度(助かった、分からない、またかけ直す)

また、チャットボットログ(無人対応のログ)があった場合は以下の情報が得られるでしょう。
(1)お客様の知りたい事(問い合わせのきっかけ)
(2)(1)に対するチャットボットの回答(FAQに登録されている話題)
(3)解決したか、していないか

チャット・チャットボットログの両方が自社にある場合、上記に加えて以下の情報が得られます。
(1)チャットボットの回答が不十分で、オペレーターにつないだ話題

 

2.情報を元に、目的を整理する

分析を行う上で、データに残されていない情報を知ることはできません。
オペレーターの品質を上げたい時に、チャットボットのログを分析しても目的は叶わないでしょう。

前述の「自社のデータから得られる情報」を参考とし、自分の目的が自社のデータで追及できるのか、一度考えてみる必要があります。

3.分析の目的例:チャットボットの品質向上

例えば、チャットボットの回答品質を上げる為には、まず質問に答えられる確率を上げる事が考えられます。そのためには、FAQを充実させ、FAQにヒットしやすいように文章を整える必要があります。

では、どうすればFAQを充実させられるでしょうか?

この際に知りたい情報として、まず「今不足しているFAQは何か」が挙げられます。
それを知るためにはチャットボットのログを分析するといいでしょう。
チャットボットが解決できなかった質問=今不足しているFAQとなります。

分析の対象として、「解決できなかった」フラグが付けられたデータに絞り込み、お客様の質問話題を分類・整理することで「特にどのカテゴリの話題についてFAQが不足しているか」を明らかにできます。
また、既存のFAQと解決できなかった話題をマッチングさせることにより、FAQのカバー率を確認することも可能です。

<FAQカバー率>
FAQカバー率

次に、どうしたらヒットしやすい文章に整えられるでしょうか?

この際に知りたい情報は、「お客様はどのような表現で質問を投げかけるか」です。
それを知るためにはチャットボットのログを分析するといいでしょう。
お客様の第一声=検索文となります。

 

4.目的に応じてデータを切り分ける

自社のデータがチャット・チャットボット両方であり、1つのログに連続して記録されている場合、チャットボットが対応した範囲とオペレーターが対応した範囲でデータを切り分けることをおすすめします。

何故ならばそれぞれのデータから得られる情報が異なり、それらを混在して分析を行おうとすると全体が複雑化し、混乱を招いてしまうからです。

目的に対してどの情報が必要かを素早く発見するためには、データを分け、分析結果を簡潔にする必要があります。

まとめ

チャット・チャットボットログを分析する際は、まず自社の目的が何なのか、目的を叶えるための情報が含まれたデータを持っているかを確認することが肝要です。

より詳細な情報や事例について知りたい方は、お問合せフォームよりぜひお気軽にお問合せください。テキストマイニングに興味をお持ちの方は、無料のセミナーもございますので、お気軽にご参加ください。

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