作業日報・修理日報の分析のポイント(基礎編)

主に製造業において、製造現場における作業日報やサポート担当者による修理日報のテキストデータは、製品・サービスの課題や現場における業務課題を発見することができる、大変貴重な情報源となります。

今回は、作業日報・修理日報の分析のポイントについて、まずは最も基礎的な内容を解説いたします。

1.分析要件に合わせて、分析の対象とする項目を決める

作業日報・修理日報には、作業や修理の一連の流れに関連するテキストデータの項目が複数存在していることが一般的です。例えば、「現象」「調査内容」「対応内容1」「対応内容2」「備考」などがその例です。

これらは通常全てテキストデータとなるため、全てテキストマイニングの対象とすることが可能ですが、漠然と全てを分析するのではなく、分析要件に合わせて分析の対象とする項目を決める必要があります。

例えば、担当者による対応のバラつきを分析したい場合は、まずは「現象」の項目を分析して特定の事象に絞り込みをして、次に「対応方法1」の項目を分析して初期対応の違いを見る、などがその例です。

2.クロス分析により、作業・修理の改善課題を発見する

作業日報・修理日報には、データを登録した日付の情報はもちろん、担当者名や、支社名・支店名、作業・修理にかかった日数・費用など、様々な属性情報・数値情報が付与されていることが一般的です。

分析をする際は、これらの情報をフルに活用して改善課題を発見することがポイントとなります。

例えば、「現象」の列を分析して作業・修理内容の全体像を把握した後、その分類結果に対して「修理工数」の情報とクロス分析をすることで、全体の中で特にコストがかかっている作業とその割合を分析し、改善の余地が大きい作業・修理内容を洗い出す、などがその例です。

3.少数話題の分析により、件数は少ないが急増している不具合を見つける

作業日報・修理日報に書かれている内容は、件数が多い話題だけを分析していれば良いというわけではありません。

データの中には、件数は少なくても、その後、大きなクレーム・トラブルに発展する恐れがある予兆が内在している可能性があるからです。

そのため、どのカテゴリにも分類されない「その他」に含まれる少数話題を分析し、その中から今後重大な不具合に発展する可能性のある予兆がないかどうか、定期的に確認・監視をする運用体制を構築することが重要となります。

国土交通省発表の自動車の不具合による事故・火災情報の予兆分析

国土交通省発表の自動車の不具合による事故・火災情報の予兆分析

4.まとめ

今回は作業日報・修理日報の分析のポイントについて、まずは最も基礎的な内容について解説いたしました。

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