コンタクトセンターでVOC(=Voice of Customer)分析を開始する際、テキストマイニングツールの選定と同程度に重要なポイントとして、「分析対象データである応対履歴をどのように入力・記録するか?」という課題があります。
今回はVOC分析に有効な応対履歴の残し方について解説いたします。
1.簡潔さよりも、情報量を増やすことを優先する。
人間が読む文章は簡潔で分かりやすい文章が望まれますが、テキストマイニングツールに投入する文章は簡潔さよりも情報量が優先されます。
何故ならば、いくら高精度のツールであっても、書かれていない情報は分析できないからです。
逆に、情報量が多すぎる場合(分析に不要な情報がある場合)は、前処理機能を使って情報の削除ができるため、通常、大きな問題にはなりません。
2.用語・表記の統一よりも、入力箇所の統一を優先する。
VOC分析を開始する際、テキストマイニングツールの辞書登録の作業を簡便にするため、入力時の用語・表記の統一に多大な時間・労力を使う場合がありますが、それらは通常クリティカルな問題にはなりません。
何故ならば、仮に統一されていなくても、ツール側の学習機能等で用語・表記の揺らぎを吸収できる場合が多いからです。
一方、「問合せ内容」「回答内容」といった応対履歴を入力する入力箇所については、統一されていないと後でデータの分離に多大な工数がかかる場合も多く、分析に与える影響が大きくなります。
例えば、応対履歴からFAQを作成する際も、「問合せ内容」「回答内容」が明確に分かれて記録されているか?が重要なポイントとなります。
3.VOC分析の結果を入力者(オペレーター)にフィードバックする。
応対履歴の入力ルールやガイドラインをいくら精密に作成しても、入力した情報がどのように使われるのか?を入力者がイメージできないと、理想的な入力を行うことは難しいです。
そこで、入力者であるオペレーターに対して、定期的にVOC分析の結果やレポートを連携するようにして、どのように情報が活用されているのか?どのように入力をすると役に立つのか?を実感してもらうことが有効となります。
VOC分析の結果が経営にインパクトを与えた事例を共有できれば、コンタクトセンターの現場のモチベーションアップにも繋がります。
<応対履歴のイメージ>
4.まとめ
今回はVOC分析に有効な応対履歴の残し方について解説いたしました。
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