生命保険業界の苦情受付情報の分類・報告業務に代表されるように、顧客の声の分析において、
苦情・クレーム分析は今も昔も最も基礎的かつ重要な分析の1つと言えます。
今回は苦情分析のポイントのうち、まずは基礎的な内容について解説いたします。
1.苦情だけでなく「苦情に近い問合せ」も全て分析対象にする
苦情分析の対象として、コンタクトセンターや営業チャネルでの受付の際に、担当者が「苦情」とチェックをつけた意見だけを収集し分析する、という運用を行っている会社が数多くあります。
しかし実際は「苦情か、苦情でないか」の判定は曖昧で難しく、また「~に費用は発生するのでしょうか?」という問合せのように、内容としては「費用が発生するのは納得できない」という苦情を表している場合も数多くあります。
従って、苦情を正しく抽出・理解するためには、「苦情に近い問合せ」も含めて全ての顧客の声を分析対象にし、そのうえで苦情の重要度・優先度を確認していく、というアプローチが必要となります。
2.増加している苦情だけでなく「件数が変わっていない苦情」にも着目する
毎週・毎月の定期報告の際には、件数が増加している苦情のみがピックアップされて報告されることが多いですが、増加率だけでなく内容の重要度も加味し、件数が変わっていない苦情にも着目することが必要です。
例えば、「営業からの連絡がない」という苦情が、増加はしていないものの2年程度に渡って常に横ばいで件数が変わっていない、という結果である場合、極めて基礎的な苦情が対策できず残り続けている、という会社の重大な問題を表しているケースもあるからです。
3.苦情逓減の対策を実施し、効果を測定する
苦情を分析し、その結果を担当部門に周知するだけでは不十分です。毎週・毎月の定期分析の中で、実際に苦情逓減の対策を行った結果、該当する苦情の件数が減っているかをモニタリングする必要があります。
この際、苦情の絶対件数は売上規模や契約者数の増加に従い増えていく可能性があるため、問合せ全体に占める該当する苦情の発生率のように、割合の数値で確認することも有効です。
4.まとめ
今回は苦情分析のポイントのうち、基礎的な内容について解説いたしました。
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