Company

当社は、テキストマイニングの黎明期より、約30年に渡って、その技術開発とビジネス展開を行ってきました。テキストマイニングの主要なターゲットは、コンタクトセンターにおけるVOC（顧客の声：Voice of Customer）の分析ですが、最近では音声認識の普及により、顧客とオペレーターの会話データからダイレクトに分析を行う「会話分析」が一般化しつつあります。この会話データは長時間かつ複雑な内容を含むために、簡便に分析する事は困難でしたが、これを解決する方法の1つが、最近進化の著しい生成AIです。

一例を挙げると、生成AIを用いて会話データを要約すれば、難解な会話であっても、容易に分析する事ができる様になります。しかし、一括りで「要約」と呼ばれる機能は、実際には非常に奥が深く、要求される場面によって、抽出すべき内容が大きく異なるものなのです。

「会話分析」の代表的な目的は、以下の2点ですが、それぞれの目的や場面に応じて、きめ細かな要約機能を設定しない限り、実務に堪える要約結果を得る事はできません。当然ですが、これを実現するには豊富な分析ノウハウが不可欠なのです。

1. 苦情・要望から、ビジネスの課題を発見し、その対策を立案する。
2. 顧客とオペレーターとの会話データから、FAQや熟練者の話法等の知識を抽出する。

当社のVextシリーズは、上記2点を分析＆支援するソリューションとして、金融から製造業に至る全業種のお客様に提供して参りましたが、前述の様に蓄積した分析ノウハウに加えて、最新の生成AIをいち早く取り込んだ様々な先進的機能を開発し、市場導入しております。本年1月に発表したVextInsightでは、これまで「熟練した分析者のヒラメキ」に頼らざるを得なかった「分析結果からの課題抽出」や「打ち手（対策）の立案」までも、システムが直接支援する事で、簡便かつ極めて高度なテキストマイニングを実現するに至っております。

現状での生成AIは、日々猛烈な進化を遂げており、人間の知能を超えるまでに至っておりますが、テキストマイニングにおいて重要なのは、分析結果の網羅性（ヌケモレがない事）です。つまり、特徴的な課題を1つ発見しただけでは、ビジネス現場で役に立たないのです。何故なら、「他にもあるだろう？比較したのか？」と言う当然の質問に答える事ができないからです。そのためには、「全データを体系的に分析して、そこから得られた多くの課題群を、重要度別に整理する事」が不可欠ですが、これは重要な分析ノウハウの1つであり、こうした網羅性の高い分析結果を提示しない限り、経営層を満足させる事はできないのです。

以上の様に当社は、30年間蓄積した分析ノウハウと最新の生成AIを合体させる事で、ビジネス現場で威力を発揮する高度な分析システムを提供し、その結果として、誰もが簡便かつ詳細にVOCを活用できる世界を実現すべく、日々邁進してゆく所存です。

2025年3月

ベクスト株式会社 代表取締役社長