繁忙期のコンタクトセンター負荷を40%削減し、スマホ時代の顧客接点変化にいち早く対応するWEBセルフサービス戦略
富士フイルム株式会社
ESG推進部CS推進室
川瀬智明 様 / 土橋直樹 様 / 中村幸司 様
● 導入企業様業種:製造業
● 導入製品・サービス:VextMiner、知識生成オプション
- テキストマイニング
AIブームに踊らされない「経験と実績に基づく」先端技術の現場活用
近年のAI(人工知能)関連技術発展に伴い、実務現場ではWEBセルフサービスの提供が進んでおり、AIの学習とナレッジコンテンツの作成に利用する「コンタクトセンターのVOC活用」に改めて注目が集まっています。
AIを搭載するチャットボットに投入する為の「知識データの準備」や「日々のメンテナンス・運用」に苦心する企業が増えている中、テキストマイニングの先端ツールをスムーズに社内業務に取り入れて、AIを活用したFAQやチャットボットなどのWEBセルフサービスで実績を上げる富士フイルム様にお話をお伺いしました。
AI教師データ作成を効率化する「VextMiner知識生成オプション」とは?
VextMiner知識生成オプションは、FAQナレッジのほか、チャットボットなどのAIシステムでAIの学習に使用する「教師データ」の生成からメンテナンスまでを行い、これらの作業工数を大幅に削減するアプリケーションです。教師データの生成だけでなく、抽出したナレッジをFAQの整備や、製品・サービスの改善に役立てる等、様々なシーンで貢献します。
※VextMiner知識生成オプションの詳細はこちら (https://www.vext.co.jp/information/1491/)
コンタクトセンターの負荷軽減と、WEBセルフサービスのレベル向上を目指して
FAQシステムを運用し、コンタクトセンターへのお問い合わせを半減に
川瀬氏 富士フイルムでは、年賀ポストカードサービス期間中のお問い合わせ件数が通常月の数倍に増加するため、お問い合せを効率的に削減することが大きな課題でした。特にネットによるご注文は24時間受け付けており、夕方から深夜にかけてご利用いただくお客さまも多くおられます。そのためコンタクトセンター窓口の営業時間外にもメールによるお問い合わせを多数いただいており、タイムリーに対応できる施策が求められていました。
そこで最初に導入したWEBセルフサービスは、AI機能を搭載したFAQシステムでした。FAQコンテンツの作成は、前年のサービス期間中にいただいたお問い合わせ記録を、VextMinerの標準分析機能で全件数を分析して行いました。数千件にもおよぶお問い合わせの質問(Q)を類似案件で整理し、さらに回答(A)が等しいものを1つのグループにまとめ、件数の多い質問(Q)から順に優先順位をつけてFAQにしました。精度を高めるためにVextMinerの一次分析結果をベースに、グループごとに人の目で読み込んで再度グルーピングして優先順位づけを行う作業を繰り返したため、QA整理には多くの時間と手間がかかりました。
作成したFAQコンテンツは、年賀ポストカードのWEB注文サイト上で画像選択、ハガキ種類選択、最終確認という注文フローの流れに応じて最適なFAQコンテンツを組み込みました。注文サイトの機能改善施策との相乗効果により、注文件数は増加し、お問い合わせ件数を前年度からおよそ半減させることに成功しました。
近年、お客様がネット注文サイトにアクセスする手段はスマートフォンの利用が急増しており、お問い合わせをいただく手段も、コンタクトセンターに架電いただくより、メールでお寄せいただくことが多くなりました。このような状況から、スマートフォン上で利用しやすい「単語や短いフレーズ」でFAQを検索して手軽にご利用いただけるチャットボットの運用を開始いたしました。
FAQのWEBセルフサービス運用と相性の良い製品選定がキー。
FAQ化やチャットボットなどのWEBセルフサービスと相性の良い製品・サービスを見極める
同社では、お馴染みの製品「チェキ(https://instax.jp/)」の新製品を発売しています。最新モデルでは、撮影した写真に音声を録音してプリントすると、音声がスマートフォン経由でクラウドに登録されます。プリントのQRコードを読み込めば、スマートフォンから音声を再生することができるのです。
チャットボットの展開は、親和性の高いユーザーを抱える製品から
QA作成に使用するお問い合わせ記録と、WEBセルフサービスのスタイルにマッチしたFAQを整備
VextMiner知識生成オプション導入で、QA整理を効率的に
QA知識整備に特化した知識生成オプションで、大幅な業務効率化
数万件のお問い合わせデータから、FAQやチャットボットに応用できる知識を作成するために、ご担当者が手作業で取り組んでいては時間がいくらあっても足りません。「お問い合わせ記録」から効率的に知識の生成を行うことが出来れば、WEBセルフサービスなどのシステムでスムーズに継続的な運用が可能になります。この難題を解決するツールがVextMinerの「知識生成オプション」です。
VextMinerユーザーなら、知識生成オプションの導入は容易
ナレッジを作成して実感しましたが、一つの回答(A)には様々な表現の質問(Q)が紐づくようになります。回答(A)の種類は、それほど多くはないのですが、そこに至るまでの道筋がいくつもあるということです。チャットボットは回答(A)に向かってお客様を導いていくツールであると思います。
使えるナレッジの作成には、ナレッジの利用シーンを意識したお問い合わせの記録と、誤解なく正しく意図を伝える「シンプルさ」
FAQコンテンツ作成の難しさは、誰が読んでも誤解なく正しく意図が伝わる「シンプルな記述」であることに尽きると考えております。「質問(Q)」と「回答(A)」の相応しい文言の作成には、経験と知識、センスと工夫が求められるので、本当に苦労しています。
狙いどおりに業務を大幅効率化
■FAQの分析作業工数が1/5に!
■「教師データ」で確実なAI学習を短期間で完了!
的確なQA整備とAIの稼働で、公開当初から「解決した」とのお声が50%以上
これまでは新製品が発売されると、コンタクトセンターへの電話によるお問い合わせ件数は、通常時の120%にまで増加していました。チャットボット導入以降は、発売直後にFAQを更新してご利用いただけるようになり、お問い合わせは80%程度に抑制できています。
「チェキ」のチャットボットでは、運用開始当初からお問い合わせ解決率50%以上のスコアを実現しています。知識生成オプションによって短期間で精度よくFAQ整備を実施でき、浮いた時間を有効に活用できたからだと考えています。
カスタマーサービスから一歩踏み出した新たな価値創造を
更なる効率化に寄与するVextの製品開発に期待
最後に、VextMiner導入検討中の担当者の方へのアドバイス等をお願いします!
■知識生成オプションで得られるナレッジ品質は、お問い合わせ記録の品質で決まる!
■お客様が手軽にアクセスできるWEBセルフサービスの運用が成功の要!
どれだけ高品質のFAQを用意しても、お客様にご利用いただけないことには成果は得られません。成功の秘訣は、できるだけ多くのお客様が手軽に利用できる導線上でWEBセルフサービスを提供することと思います。