コンタクトセンターにおいて重要な接点となりつつあるチャット窓口。
問合せ対応を文字や画像、URLでやり取りでき、リアルタイムに対話が可能であるという大きなメリットがあり、様々な業種で定着化が進んでいます。
その一方で、表情や声が届かないことによるデメリットも生じており、時には顧客満足度を下げる展開にもなってしまいます。
今回はチャットログの分析事例から、お客様にストレスを与える“バッドコミュニケーション”についてご紹介します。
チャットでお客様を不快にさせる2つの事例
チャットでのやり取りは文字で行う事ができるため、用意された説明文をコピーアンドペーストで送れる、決められたフローに沿って会話を進めやすいなど、オペレーターの負担は軽減されます。
その一方であまりにもテンプレート化されてしまう事で、お客様に不満を与えてしまうケースもあります。
1.定型的なやり取りしかしない
例えばお客様が「申し込みをしたいが手順が分からない」と質問をした際に、オペレーターはマニュアルから考えられる要因の一覧を並べ立て、「このどれかが原因なので一度お試しください」と対応を切ってしまい、短時間で通話を終えるケースがあります。
これではチャットボットと変わらず、有人対応である意味がありません。
お客様も「分かりました」と返答をするものの、自分で原因を探さねばならず、チャット終了後のアンケートで「解決できなかった」にチェックを入れる…という結末となります。
2.説明義務を順守することに必死になる
窓口で解約の申し出があった場合、解約阻止を行うよう教育を行うコンタクトセンターは多いかと思います。
口頭であれば相手の反応を見ながら話題を切り替えていくことができますが、チャットでは声という情報がないため、感情を推し量ることができません。
相手の回答を待って会話のキャッチボールを行えば不満を与えるリスクは軽減できますが、チャットに不慣れであるオペレーターは相手の回答に間が空くと不安になり、次々に発言を送信してしまいます。
適切なタイミングで個別に提案すれば解約阻止に繋がる話題でも、これでは逆効果となってしまいます。
チャットの落とし穴に気を付ける
チャットは意思疎通が明確にできる一方で、人間対人間の会話である意識が薄れてしまいがちです。
「ご説明してもよろしいですか?」「ここまでで何かご質問はありますか?」などの相手の反応を促す表現や、「それはお困りですね」「解決できるようお手伝いします」などの寄り添い表現を交えて、温度感のあるコミュニケーションを心がける必要があります。
在宅化や複数件の同時対応など、オペレーターの活動が見えづらくなっている現状、SVによる教育や応対品質評価も困難と言えます。
だからこそ、テキストマイニングツールで逐次分析を行うことで、「気づかないところで起こる顧客離れ」のリスクを回避する運用が求められています。
感情が読み取れないチャットだからこそ、バッドコミュニケーションを避け、顧客満足度を向上させましょう。
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