システムを提供する企業にとって重要かつ業務負担となりがちなのは、ユーザーからの問合せ対応です。
ヘルプデスクなどを設ける一方、HPなどで充実したFAQを公開することで、ユーザーと窓口双方の負担を軽減できるように注力する企業が増えつつあります。
ですがFAQの素材である問合せ応対履歴を分析してみると、「FAQだけでは解決できない課題」を発見することもままあります。
今回はヘルプデスク窓口の応対履歴の分析から、課題を抱えているのは一体誰か?を明らかにし、本質的な問合せ削減につなげるための分析手法についてご説明します。
問合せの全体像を明らかにする
問合せ応対履歴の分析で重要なのは、「まず全体像を明らかにする」事です。
仮説を立てて「FAQの素材になりそうな所」だけを分析すると課題整理ができないだけでなく、他に取りこぼれた話題があっても気づけない可能性があります。
そのため、全体を網羅的に、俯瞰して、主要話題を整理する必要があります。
これにより、問合せが発生している=ユーザー側で対応困難な話題を可視化することができました。
特に課題となるのは問合せが集中している話題の他、エラーや不具合として申告があった話題となります。
また、不明・不備表現(分からない、できない)を含む話題を横串を指す形で追及するのも有効と言えます。
ユーザー側で解決できる問題か確認する
課題を含んでいると考えられる話題を特定後、それぞれの詳細や背景を明らかにします。
「エラーコード」のようにシステム側で原因が明確である場合は、FAQに追加することで問合せを減らすことができるでしょう。
一方で同じエラーでも、「反映されない」などの原因が不明確な話題の場合、なぜ反映されないのか?を深掘りする必要があります。
反映されない原因がユーザーの操作方法にあった場合、FAQに登録するのはもちろんですが、システム側でも誤操作に対するアラートを表示する、感覚的に操作できるUIに変更する、などの改善ポイントとして取り上げる事もできます。
また、多くの人が誤った操作を行った結果同様の問合せとなるのであれば、FAQ化を行うのは対処療法でしかなく、根本的な解決とはなり得ないとも言えます。
未知の話題を発見して早期対処を行う
また、問合せの主要な話題だけでなく、少数意見から未知の話題を発見することも重要です。
例えばリリースしたばかりの新機能や、特定の状況下でしか起こらないエラーがあった場合、主要話題として浮上する可能性は低いと言えます。
主要話題“以外”であるその他の話題を抽出することで「特異的な話題」を発見でき、更に時系列推移を確認することで「とある時期から突如発生した話題」を見つけ出すことが可能となります。
特に新機能に関する不具合は少数のうちに発見し、ユーザーに告知の上で修正を行う…など、後手に回らない早期対処が重要です。
本質的な問合せ削減につなげるために、問合せの原因がシステムにあるのか、ユーザーにあるのかを明らかにした上で適切な対処が必要となります。
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