損害保険業界の分析事例について(1)

損害保険業界の分析事例について(1)
損害保険業界は、そのビジネスの特性上、代理店や契約者から日々多くのVOC(=Voice of Customer)が寄せられる業界であり、古くからVOC分析が重要な経営課題となっている業界と言えます。

今回は、損害保険業界において実施されることが多いVOC分析のテーマについて、代表的な3つのテーマを紹介いたします。

1.少数意見の中から商品・サービスの改善のヒントを発見する

損害保険業界のコンタクトセンターでは、代理店や契約者から日々多くの問合せが寄せられます。

その多くは手続きや契約変更に関する問合せですが、中には商品・サービスの改善のヒントとなる貴重な声が存在します。

そこで、契約変更などの主要カテゴリには属さない「その他」に含まれる少数意見の中から、商品・サービスの改善のヒントとなるVOCを抽出し、スピーディーに関連部門に連携することが重要です。

その際には、分析処理をバッチ処理で自動化し、分析結果の共有システム等を使用することも有効です。
(参考記事: VOCダッシュボードの作成方法について(基礎編) )

2.代理店からの問合せはFAQ化して問合せ件数を減らす

損害保険業界は、そのビジネスの特性上、販売の主体は代理店となる場合が多く、契約システムに関する問合せは代理店から寄せられることが多いです。

このような契約システムの使用方法に関するVOCは、件数の多いものから順にFAQ化をして公開し、問合せ件数を減らしていくことが有効です。

また、システムのバージョンアップ・更新のタイミングなど、問合せが集中する場合は、事前に過去の問合せ傾向から増加する問合せを予測し、FAQを整備しておくことも重要です。
(参考記事: FAQ作成のポイント(基礎編) )

3.事故受付のセンターでは応対の抜け漏れがないかを分析する

損害保険業界では、一般的な問合せを受けるコンタクトセンターと、事故受付のコンタクトセンターの大きく2種類のセンターが存在します。

後者の事故受付のセンターでは、お客様からの情報を正確に聞き取り、後工程の査定に回す必要があるため、応対内容に抜け漏れがないかを分析することが重要となります。

この場合、対応履歴の文章だけではデータ自体に漏れがある可能性があるため、音声データをフルテキスト化したデータを対象に分析し、文脈分析等の機能を用いて通話の内容や流れを詳細に分析することが有効です。

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4.まとめ

今回は損害保険業界の分析事例について、代表的な3つの分析テーマを解説いたしました。

より詳細な情報や事例について知りたい方は、お問合せフォームよりぜひお気軽にお問合せください。テキストマイニングに興味をお持ちの方は、無料のセミナーもございますので、お気軽にご参加ください。

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