製薬業界の分析事例について(1)

製薬業界はVOC(=Voice of Customer)の対象が医師となるため、他の業界とは異なったVOC分析のアプローチが必要となります。
また近年では「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」への対応など、営業活動のモニタリングのためにテキストマイニングツールを導入する事例も増加しています。

今回は、製薬業界においてVOC分析を実施する際のポイントについて、まずは最も基礎的な3つのポイントを解説いたします。

1.営業日報のデータ収集の仕組みを作る

製薬業界におけるVOCの対象は医師となるため、他の業界とは異なり、営業日報というデータソースが極めて重要となります。

何故ならば、営業日報に記載された医師のコメントや反響が、そのままプロモーション活動や製品開発の貴重な情報源になるからです。

そのため、いかにMRに負担をかけずに営業日報を収集する仕組みを構築できるか?が重要となります。

モバイル端末での音声入力などはその代表的な方法です。

2.営業日報テキストを「MRの活動内容」と「医師の反響」に分ける

営業日報には、日々のMRの活動内容の記録と、そこで得られた医師の反響の情報の、2つの異なる情報が混在しています。

そこで、分析の目的にも依りますが、通常はこれら2つを分けて分析することが必要です。

テキストマイニングツールを使用して分けることも可能ですし、最初から日報の入力を2つに分けておくことも有効です。

また、2つのデータを組み合わせて、まずMRの活動内容のデータ列からある品目のプロモーション活動に関する日報を抽出し、次に医師の反響のデータ列からその活動に関する反響を分析する、といった分析を行うことも可能です。

3.営業日報テキストの分類条件はガイドライン対応にも活用できる

VOC分析のために作成した営業日報テキストの分類条件は、ガイドライン対応(「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」への対応)にも活用できます。

例えば、分類条件に存在する話題の中で、ガイドライン上は特に問題ない表現を一括で抽出して、ガイドライン対応用のツールに教師データとしてインプットするなどです。

また、営業日報テキストの解析の際に前処理が必要であれば、VOC分析の際に作成した前処理の設定や条件なども活用することができます。

製薬デモデータのクラスタリング結果

製薬デモデータのクラスタリング結果

VextChekcerメディカルセールスエディション 判定結果の画面イメージ

4.まとめ

今回は、製薬業界においてVOC分析を実施する際のポイントについて、まずは最も基礎的な3つのポイントを解説いたしました。

より詳細な情報や事例について知りたい方は、お問合せフォームよりぜひお気軽にお問合せください。テキストマイニングに興味をお持ちの方は、無料のセミナーもございますので、お気軽にご参加ください。

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