VOC(=Voice of Customer)活動において、VOCレポート(分析レポート)はその中核をなすものであり、レポートの質が低いと経営層にVOCがうまく伝わらず、せっかくの分析結果も台無しになってしまいます。
今回はVOCレポートを作成するうえで必ず抑えておくべき基礎的な内容について解説いたします。
1.特定テーマの結果に入る前に、まずはVOCの全体像を掲載する。
分析者は特徴的な苦情やクレームを発見すると「この苦情を報告したい!」と思い、レポートの冒頭から順番に掲載してしまいがちですが、そのような「トピック列挙型レポート」は望ましくありません。
何故ならば、そのようなレポート内容では「他に苦情はないのか?」「全体の割合から見てその苦情は多いのか?少ないのか?」といった質問に答えられないからです。
従って、まずはVOCの全体像を掲載し、その後で特定テーマの分析結果に移るような順番にする必要があります。
2.分析結果の列挙ではなく、報告全体のストーリーを意識する。
よくあるVOCレポートとして「年代別」「時系列」「地域別」・・・といったタイトルでクロス分析の結果が延々と続くようなレポートがありますが、このような「クロス分析列挙型レポート」は非常に淡泊なレポートになってしまい、効果的ではありません。
そこで、「30代女性にこの苦情が顕著」⇒「この傾向は6月から増加している」⇒「一方でこの地域だけは逆にこの苦情が減少している」などと繋がりのあるストーリーとして報告することで、レポート内容に対して興味が沸くようになり、報告を受ける側も「気付き」や「発見」を得やすくなります。
3.グラフやマップだけでなく、VOCの原文を掲載する。
テキストマイニングツールを使用してVOCレポートを作成すると、ツールの機能で得られるグラフやマップを延々と掲載するようなレポートを作成することがありますが、そのような「グラフ・マップ貼り付け型レポート」ではどうしても表面的な内容になってしまい、インパクトに欠けてしまいます。
そこで、図のようにVOCの原文を部分的に掲載し、リアルな「声」に掲載することで、具体的なVOCを共有することができ、より深みのあるレポートにすることが可能となります。
4.まとめ
今回はVOCレポートの作成方法について、最も基礎的な内容について解説いたしました。
より詳細な情報や事例について知りたい方は、お問合せフォームよりぜひお気軽にお問合せください。テキストマイニングに興味をお持ちの方は、無料のセミナーもございますので、お気軽にご参加ください。
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